クレアチニンクリアランス計算 2025
腎機能を正確に把握し、健康管理に活用する
クレアチニンクリアランスを計算する
クレアチニンクリアランスとは
クレアチニンクリアランス(CCr)は、腎臓の機能を評価する重要な指標です。血液中のクレアチニンを腎臓がどれだけ効率的に尿中に排出できるかを示す値で、腎臓の濾過機能を直接的に反映します。
基準値と評価
評価 | クレアチニンクリアランス値 | 状態 |
---|---|---|
正常 | 90-120 mL/min | 問題なし |
軽度低下 | 60-89 mL/min | 経過観察 |
中等度低下 | 30-59 mL/min | 要注意 |
重度低下 | 15-29 mL/min | 要治療 |
末期腎不全 | 15 mL/min未満 | 要緊急治療 |
計算方法の詳細
基本計算式
クレアチニンクリアランス(mL/min)=
尿中クレアチニン(mg/dL)× 24時間尿量(mL)
────────────────────────
血清クレアチニン(mg/dL)× 1440(分)
補正計算式
体表面積による補正:
補正CCr = CCr × 1.73 ÷ 体表面積
検査時の注意点
検査前の注意
- ・24時間蓄尿が必要
- ・通常の食事・水分摂取
- ・激しい運動を避ける
影響を与える要因
- ・食事内容
- ・運動量
- ・薬剤使用
よくある質問
一般的な健康診断では年1回程度が推奨されています。ただし、腎機能に問題がある場合や、高血圧・糖尿病などの基礎疾患がある場合は、医師の指示に従って、より頻繁に検査を行う必要があります。
- 24時間蓄尿が必要です(朝一番の尿を捨て、その時刻から翌日の同時刻まで全ての尿を採取)
- 検査前日は普段通りの食事・水分摂取を心がけてください
- 激しい運動は避けてください
- 薬の服用は医師に相談してください
eGFRは推算糸球体濾過量で、血清クレアチニン値から計算式で推定する値です。一方、クレアチニンクリアランスは24時間蓄尿検査による実測値であり、より正確な腎機能評価が可能です。ただし、eGFRの方が簡便で日常的なスクリーニングに適しています。
はい、激しい運動は筋肉からのクレアチニン産生を増加させ、検査値に影響を与える可能性があります。そのため、検査前24時間は激しい運動を避け、通常の生活活動に留めることが推奨されます。特に筋トレなどの無酸素運動は、クレアチニン値を一時的に上昇させる可能性が高いので注意が必要です。
検査のための特別な食事制限は必要ありませんが、検査前日は普段通りの食事を心がけてください。ただし、腎機能が低下している場合は、医師から以下のような食事制限が指示されることがあります:
- 塩分制限(1日6g未満)
- タンパク質制限
- カリウム制限
- 水分制限
クレアチニンクリアランスの値が低下している場合は、以下の対策が推奨されます:
- まずは必ず医師に相談し、原因を特定する
- 塩分摂取を控える(1日6g未満を目標に)
- 適度な運動を継続的に行う
- 禁煙を心がける
- 適正な体重を維持する
- 十分な睡眠をとる
- 定期的な検査でモニタリングを行う
参考文献
- 日本腎臓学会編「CKD診療ガイド2012」
- 日本透析医学会「腎機能評価ガイドライン」
- American Journal of Kidney Diseases, 2002